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当ブログは福祉や介護や医療の職場(デイサービス、デイケア、小規模多機能など)で働かれている方々、ご高齢者の皆様のお役に立てるよう情報発信をしていきます。
介護施設に通われている高齢者の方々は何かしらの不安を抱えて生活をしていらっしゃいます。
高齢者の不安には、病気のこと、家族関係のこと、生きがい・役割の消失などなどがありますが改善・軽減する方法があります。
今回は、その高齢者の不安・悩みを改善・軽減してしまうじゃんけんレクリエーションをご紹介します。
目次
モチベーションUPじゃんけん
モチベーションUPじゃんけんとはどんなレクなのか?
モチベーションUPじゃんけんとは、じゃんけんして負けても元気よく明るく『負けたー』とバンザイをするじゃんけんです。
詳しくは下記にご紹介します。
モチベーションUPじゃんけんの概要について
今からモチベーションUPじゃんけんについて、下記の5つの項目で解説します。
- 準備物
- プレイ人数
- 所要時間
- 場所
- 効果
準備物
基本的に必要なものはありません。 立っても座っていてもできます。
プレイ人数
2〜4人くらいが基本プレイ人数です。
5以上の人数になると順番が回ってくることが遅くなり、集中力・モチベーションが低下してしまう恐れがあるのでオススメできません。
☆最初はモチベーションを上げやすい1:1で行なうことをオススメします。
所要時間
1分
一回のプレイにかかる時間は約1〜2分です。
短時間で集中してもらうことで効果的にモチベーションを上げることができます。
場所
フロア
大きな声を出すので声を出して問題ない場所が望ましいでしょう。
モチベーションUPじゃんけんの効果
身体機能面の効果
- 肩関節の可動域改善
- 猫背改善(円背改善)
- 便秘改善
- 発声の改善(口腔機能の向上)
精神機能面の効果
- 意欲の向上
- 不安の軽減
- 集中力向上
- 理解力向上
- 判断力向上
- 脳の血流向上
ルール
ではルールの説明を以下の4つにわけて致します。
- 基本ルールについて
- アレンジルールについて
- 注意事項について
- 生活支援について
基本ルール
①レクリーダーが『勝ったー』『負けたー』の声の出し方とバンザイ方法をデモンストレーションします。
②参加者の高齢者の皆さんと一緒に数回練習します。
③向かい合ってじゃんけんをします。
④勝敗に応じて勝てば『勝ったー』と言いながらバンザイ、負けたら『負けたー』と言いながらバンザイします。
⑤勝敗はあまりこだわらず、楽しく明るく大きい声を出してモチベーションをUPさせましょう。
⑥回数は10回前後をオススメします。
※理由は人は3回以上の刺激で重要もしくは快と認識しやすくなるので、お互いに3回以上、声を出しモチベーションをあげる機会を設けたいので、じゃんけんを10回以上行なうことをオススメしています。
アレンジルール
じゃんけんで勝ったり負けたりしたら両足をあげると同時に大きい声で『勝ったー』『負けたー』と言います。(片麻痺の方は両足あげる意識で片足あげる)
注意事項
肩関節に痛みがある方は痛みの出ない範囲で行いましょう。
血圧の高い方はあまり大きな声を出さないようにしましょう。
生活支援について
じゃんけんの勝敗で『勝ったー』『負けたー』と笑顔で大声でいうことでストレスの発散・軽減となり、海馬の機能が改善になります。結果、モチベーションUPじゃんけんを繰り返すことで感情の脳がプラスに働きはじめ、結果、生活意欲の向上・改善へつながっていくのです。
例えば、
日常生活において、今まで惣菜を買って食べていた方が簡単な料理をしてみようかと思うようなきっかけになります。
ただただ買い物していたが、新しい料理に挑戦してみようかという意識を持って買い物されるようになったりします。
洗濯物をためていたけど、ためずに洗濯物をされるようになったり、掃除をこまめにされるようになったり、日常生活動作のもととなる意欲の改善につながります。
また、趣味活動を再開したりと人生を楽しんで過ごすきっかけ作りにもなります。
モチベーションUPじゃんけんの動画
モチベーションUPじゃんけんはどのようにするのか?
介護エンターテイメントの石田さんがモチベーションUPじゃんけんの動画を作成してくれました。皆様にどのようにすれば良いのか、雰囲気や方法が伝わったら良いなと思い、ご紹介します。
モチベーションUPじゃんけんで不安や悩みを吹き飛ばし、上手くやる方法はただ一つです。
じゃんけんのみに集中して、全力で行なうことです。
集中できなくても全力を繰り返すことで集中できていますから安心してください。
ぜひ、試してみてください。
まとめ
【介護レクリエーション】高齢者の不安・悩みを改善するモチベーションUPじゃんけんはいかがだったでしょうか?
動画の補足として、まとめの項では、じゃんけんで高齢者の不安や悩みを改善する仕組みについてご説明したいと思います。
また、じゃんけんレクが生活機能向上になるということも理解できると思いますのでお時間がある方は読んでください。
まずは人の感情についてご説明します。
人間は感情動物とも言われてて、感情とともに生きています。
その感情の種類には、
楽しい、嬉しい、悲しい、怒り、苦しみ、虚しさ、愛おしさ、感謝、感動、不安
などなど、たくさんの種類があります。
しかし、脳の中で考えられる感情は1つしかありません。(感情は1つしか持てません。)
同時に2つの感情を考えることはできないのです。
そして、私は、感情は1つしか考えられないという特性を活用することで高齢者の生活支援につながると考えています。
高齢になると、病気の進行や家庭内での役割消失などが影響し、何かしらの不安を感じています。
その不安は脳へ悪影響を与えます。
人は不安を感じると脳の中からコルチゾールというホルモンが放出されます。
コルチゾールは少量では、さほど影響しませんが、大量に、持続的に出続けると脳の萎縮につながっていくと言われています。
つまり、不安を感じていると脳が萎縮し、記憶力が低下したりすることで実行機能障害(手順の理解が低下)が出現、結果、日常生活がうまくおくれず、生活機能が低下するのです。(ちなみにストレスは認知症の進行もさせてしまいます。)
私は、高齢者の方々にその不安を感じさせない・抱かせないことこそが生活支援の第一歩になると考えています。
【病は気から】という言葉があるように、人の体調は感情で決まるということなのです。
あなたもこんな経験をしたことはないですか?
例えば、
あなたが体調不良だったとしても、楽しみにしていたコンサートやデートや遠足に行って誰かと楽しんでいると、さほど体調不良は感じず、楽しく過ごせたことってないですか?
私はあります。
体調不良だったことすらも忘れてしまうほど、楽しんでたということがあります。
つまり、体調不良を感じず楽しく過ごせた答え(仕組み)は、
楽しいに集中していることで不安を考えるヒマが無く、体調不良が気にならなかったというわけです。(不安が吹き飛んでしまった。)
それと人は楽しいと脳からオピオイドやドーパミン、オキシトシンが分泌されて体調不良を感じさせないような働きが脳の中でなされます。その働きによって人の思考は体調不良を考えなくて済むし、その時間に全身運動が促進されて、血流が改善されて老廃物も除去されて徐々に体調も良くなるのでしょう。
結果、体調不良だったっけ?となる訳です。
つまり、楽しいは治療になるのですね。
楽しいについて、いろんな文献で生活改善に効果があることは科学的に証明され報告されています。
つまり、楽しいことを続けていることでストレスが減り、脳の萎縮を予防することになるのです。
また、楽しく過ごし笑っていると免疫力もあがり、癌も治ってしまうという報告もあります。
レクで楽しく過ごす手伝いや笑うことのお手伝いが日常生活の支援となるのです。
ADLの直接的訓練でなくても間接的な関わりがADLを良くすることにもなるのですね。
それに笑うことで横隔膜の運動が促進されて、有酸素運動効果が上がり全身の血流改善になります。
結果、他臓器も元気になるのです。
人の体はつながっていますので相互作用で良くなるのです。
ですから、認知機能を上げたいという時に学習療法ばかりするのではなく、
足の運動をすることで全身の血流が良くなり、
脳への血流も良くなり、脳の老廃物除去が促進されて、脳機能が高まり、
認知機能の改善につながるのです。
次に、不安についてお話をしておきます。
不安の正体は妄想だと言われています。
不安なことを考えているとさらに不安なことや心配事を連想していまいます。
しかし、その不安や心配事は起こりえないことがほとんどです。
対処方法としては考えないことが一番です。
自分で解決できないことはたくさんありますし、解決することがすべて(正解)ではありません。
なので、不安を感じた時は、考えないようにするために他のことに集中して取り組んでみましょう。
例えば、料理をする・音楽を聞く・読書する・早歩きで散歩するなどなど、何かしらに集中できると不安を考えなくて済みます。
それに不安な言葉ばかり使っていると右脳でその言葉をイメージしてしまい、マイナスの反応がみられるようになります。
そんな時は、自分が思っている以上のことは起きないと『大丈夫、大丈夫』と声に出して言うようにしましょう。
楽しいという感情は他人にも移る特性があります。
なので、笑って楽しくしていると周りの方も楽しくなっていきます。
それだけでも生活支援につながっていきます。
高齢者の皆さんと一緒に笑って不安を吹き飛ばしましょう。
楽しくしていることで体調も良くなり、より良い日常生活を送ることにつながるのです。
楽しいの疑似体験をすることで脳は嘘でも楽しいと思えれば、体に良いホルモンが分泌されます。
ぜひ、モチベーションUPじゃんけんで楽しいの疑似体験をしてください。
以前の記事でじゃんけんレクをご紹介しています。
こちらも合わせて読んでいただくと提供するレクリエーションのバリエーションが増えます。
さらにレクのマンネリ化を防ぐことができます。
関連記事:下肢筋力UPじゃんけん
今回の記事があなたの介護現場でお役に立てたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。