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アイデアわくわくリハビリのライターでもある作業療法士の山口です。
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山口が人生で経験してきたことや働きながら体験したこと、学んできたことを読者の皆様のためにできる限り、分かりやすくお伝えしていきます。
管理職の業務は、指導・教育・トラブルなどの多岐にわたります。
自分には、身の覚えのないことさえも対応をせざる負えない時があり、怒る感情が発生する場合があります。しかし、怒る必要はありません。
今回は、管理職が、指導や教育やトラブル等の場面で怒ることは必要ない10の理由をご紹介します。
結論から述べますと、人生においても【怒る】ということは必要ありません。
では、どうぞ!
目次
管理職は、いかなる時も怒ることは必要ない理由について
管理職は、いかなる時も怒ることは必要ありません。
その理由をお話します。
私の以前の職業は、工事現場の見習い、大工の見習いという経歴があります。
工事現場や建築現場は、職人さんの世界です。
覚えるというは、『見て覚える』というの主流でした。
教えてもらうということは、恥ずかしいという概念が強くありました。
親方に『あの〜教えてもらえませんか?』と聞くと
『馬鹿野郎!見て覚えるんだよ!』
『そんなこともわかんねぇーのかよぉ!』と
怒鳴られ本当に怖い思いました。怒られることはまだ良いほうです。時には、金槌で頭を叩かれたこともありました。
私のそのような職場環境にいたので、
怒るということに関して、失敗したら怒って良いという認識が自然と身についてしまっていたのです。
その後は、作業療法士を目指すため、工事現場や建築現場の仕事は辞めました。
人生において、はじめて猛勉強しました。結果、どうにか学校にも合格し、国家試験にも合格し病院に就職することもできました。
病院時代は、4年目から主任になり、5年目には課長職になっていました。
前職の経験もあり、感情的になりやすかったのですが、なぜか管理職になったのです。
当時、私が病院で管理職(課長職)になったばかりの時で、私が感情的に怒ってしまい、失敗した話です。
一日の業務終了の時に、終礼を行っている時に、
一人のスタッフがイライラしながら行事の準備をしていたのが目につきました。
主任が『終礼します。集まってください。』と言ってスタッフは集まります。
しかし、そのスタッフはダラダラとふてくされたような態度で、モノを投げる始末。
その態度を見た途端に私は、職員全員が集まって情報を共有する大事な時間に支障をきたしている、雰囲気が悪くなっていると感じて、注意しなければと怒りが沸き起こり、
『何してんだ!早くしろ!』
と怒鳴ってしまいました。その後は、案の定、口論に発展。
お互いの見解を言い合い、収拾がつかない状態まで発展し、そのスタッフとは関係性は最悪を極めました。
あるスタッフから当時の状況を聞くと、そのスタッフは休みを返上して、行事の準備を行っていたとのことでした。
それを聞いて、心の中で、
ええええ〜、がんばり屋さんやん!そんなことならもっと早く教えてよ⤵
って、思いましたが、休みを把握していない自分が情けなくなりました。
そんな状況も知らずに怒ってしまったことを本当に恥ずかしく思いました。
その時にそのスタッフに労をねぎらうような言葉掛けが必要だったのです。
本当に深く反省しました。
ただ、いろいろ思いました。休みで出てきたら、ふてくされた態度をとって良いということはないでしょう。とか
しかし、それよりも、そのスタッフの心情を汲み取れないということに管理職として情けないと猛省しました。
私は状況判断がうまくできておらず、人前で怒ったことで、そのスタッフを深く傷つけることになりました。
その後は、お互いの心情を話し合い、人間関係は修復できました。
なので、怒ると失敗します。
下記に怒るデメリットについてお話します。
これを読まれると怒る必要はないと思ってもらえます。
また、管理職として怒る以外の能力を身につけられるヒントが見つかります。
【1】内容が伝わらない
感情的に怒ると、『怒られた』ということしか記憶に残りません。
怒りながら内容を説明されても頭に入っていきません。
なぜなら、人間は感情動物ですので、感情を察する能力のほうが、言語理解よりも優れているから感情を先に読み取ります。
それに猛烈に怒られたという印象が強く、理解能力が低下します。
なので、怒って指導しては意味がありません。何のメリットはありませんし、時間の無駄です。
怒られた経験がある私も、親方に対して心の中で
『めっちゃ怒ってるし、何言っているのか、わっかんねぇーし・・・』
と思っていました。
それに話の途中で『馬鹿野郎』が入ってくると途中まで理解していた内容が理解できなくなるのです。それは、ただの文句じゃんって、なります。
脳の扁桃体は、好きか嫌いか、判断する機能があります。怒られていると扁桃体が嫌いと判断し、その状態を回避しようと海馬で強く記憶します。
人の言語理解は、聞きたいと思わないと理解力は上がりません。
なので怒っても内容は伝わりませんし、意味がありません。
【2】怒りやすくなる
怒ると怒る癖がつきますから、怒ってはいけません。
怒ることが習慣化していきます。
なぜなら、怒って解決すると脳内でドーパミンなどの物質が放出されます。
ドーパミンは快刺激を繰り返すと放出されます。放出された活動を繰り返したくなるという特性があります。
怒ることでドーパミンが放出されて、怒ることが習慣化します。
さらに、ドーパミンはさらなる強い刺激でしか放出されなくなるので怒ることがエスカレートしてしまいます。
結果、怒ることはやめたがいいです。
【3】嫌な部分に気がつきやすくなる
怒ると、その感情を正当化しようと嫌な部分を見つけて説明しようとします。
嫌な部分をたくさん見つけては説明しようと脳の思考が働きますので、怒ることは必要ありません。
嫌な部分が見つからなくなると一つのことに対して掘り下げようとします。
いろんな視点でダメ出しをしたくなり、怒りの感情と結びつけたくなります。
怒った事象に対してだけではなく、それ以外の部分まで掘り下げ持ち出し怒ることになりますので怒る必要はありません。
【4】思いやりが無くなる
怒ると、会話が一方通行になりますので、相手の立場を考える余地がなくなり、思いやりがなくなります。
また、怒っている場合は、脳は怒りを押さえることにエネルギーを使いますので、複雑な思考ができなくなり、思いやりがなくなります。
【5】思い込みが強くなる
怒ることで、【4】でも述べたように会話が一方通行になること、複雑な思考ができなくなります。それに加えてネガティブな思考になるので、思い込みが強くなります。
私に危害を加えようとしてのこのような結果になっているのではないか、などと考えるようになります。
また、いくら教えても同じ失敗を繰り返すことは私へのあてつけなのだとか思うようになります。
寝る前に怒ったことを思い出したりすると、怒りの再燃となり、不眠につながります。
寝る前に怒った出来事を思い出すことで、寝ている間も脳に強く記憶されるようになります。
さらに思い込みが強くなる傾向になりますから、怒らなくていいです。
【6】信頼が無くなる
怒って、指導やアドバイスを行っても、説明が理解できませんと述べました。
理解できないことを繰り返していると、人間関係が破綻し信頼がなくなります。
職員からは
- いつもイライラしているようだ!
- また、怒られるのではないか?
と思われるようになり、近寄りがたい存在となります。
人は交流をはかり、コミュニケーションで相互理解が出来ることで信頼関係が構築されていきます。
信頼がなければ、まともなコミュニケーションはできません。
怒る → コミュニケーションが無くなる → 信頼が無くなる
という流れが出来上がりますので怒らなくて良いです。
【7】意見を聞かなくなる
怒ると自分が怒っていることを正当化しようとするので、他人の意見を聞かないようになります。
むしろ、意見が入ってこないと言ったほうが正しいですね。
なぜなら、怒るということは、自律神経の交感神経が優位にある状態ですので、戦闘態勢なのです。
戦闘態勢になるということは、戦うことに集中します。他の機能も低下するので、聞く力が低下し、聞けないとなるので意見が聞けなくなるのです。
大工の親方も、現場で監督ともめだして怒ったら、周囲の意見が入っていない様子でした。
怒りのピークは6秒と言われていますので、怒りがおさまると話を聞けるようになります。怒った時は、6秒以上の時間をかせぐために深呼吸をしましょう。
【8】アドバイスが効かなくなる
怒ることで、脳の思考がパンクしてしまい、理解力が低下し、他者からのアドバイスも分からなくなるのです。
おまけに説明ができない状態が続きますと的確なアドバイスができなくなります。
例えば、バスケットのシュートの練習で言いますと、こうです。
バスケットの練習をちゃんとしなさい!と怒られても、
どのような部分がダメでどのように練習しないといけないのか、わかりません。
ってなります。
仕事に置き換えるとこうです。
管理職から
ちゃんと仕事しなさい! とか、入浴業務をちゃんとしなさいって言われたら、
ちゃんと仕事しなさい?入浴業務をちゃんとしなさい?って、何よ!ってなります。
遅刻もしないし、休憩時間も守っているし、入浴業務もこなしている!
と怒られた側は出来ている部分を探し出します。
具体的に言ってもらわないとわからないのです。
何が、どのように、どの程度、できていないのか、具体的に説明しないといけません。
怒ると感情が優先となり、説明の順番がデタラメとなり、アドバイスができなくなりますから怒らなくていいです。
【9】話が下手になる
怒ると、【8】でも述べたように感情が優先となりますので、話す順番がバラバラとなり話が下手になります。
それに感情を伝えようとして必死なります。
怒っているのだぞ!と
怒られている側は、いやいや、見ればわかりますから!となります。
怒っていると感情で伝えるように癖づいてしまいますので、怒らないようにしましょう。
怒ることは、第二次感情と言われています。まずは、起こる前の第一次感情に目を向けることで怒りの性質がわかります。
まずは、第一次感情である悲しみ、落胆、心配、不安、失望、困惑などに目を向けるようにして話すようにしましょう。
例えば、自分の気持ちで相手に期待していたが思いのほかに内容に落胆してしまい、怒ってしまったと説明ができれば、相手にも状況が理解できやすくなります。結果、話下手が回避できるとともに怒りが回避できます。
【10】病気になりやすくなる
怒ると、心臓発作や脳卒中を引き起こす確率が高まり病気になりやすくなります。
最近の研究結果では、怒りの感情は、心臓発作をおこすリスクが通常の8.5倍になると報告されています。
国内の研究報告では、怒ると高血圧のリスクが高まりますと報告されています。とくに男性は、高血圧発症のリスクは1.5倍になると報告されています。
文章引用元:NIKKEI STYLE
参考書籍紹介
管理職として、怒ることが必要ない10の理由の記事の参考書籍をご紹介します。
脳の仕組みを理解し、正しい生活習慣、行動習慣を身につけることで怒らずに理想の管理職になれますので、オススメです。
あなたの人生がつまらないと思うんなら、それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。 1秒でこの世界が変わる70の答えまとめ
管理職は、指導・教育・トラブル等で怒ることは必要ない10の理由はいかがだったでしょうか?
管理職には、怒ることは必要ないということを分かってもらえたと思います。
怒るメリットより、デメリットの方が遥かに大きいわけですから、怒る必要なありませんよね。
ましてや人生においても怒ることは必要ないと確信できたでしょう。
管理者には、怒ることよりも
- 感謝する
- 優しくする
- 思いやる
- 承認・認める
- 分かりやすく説明する
- 伸ばす心構えをする
が必要です。
上記の管理者に必要なことは、一つ一つが関係しています。
単体で存在しているわけではありません。
例えば、優しさを追求するとおのずと周囲の思いやりや承認、説明力、伸ばす心構えも関連して成長します。
優しくすることで、相手に分かりやすい言葉遣いになり説明力が伸びます。
職員が伸び伸びと働くことをイメージして、行動していると伸ばす心構えのスキルがアップします。
管理者として、感謝していると優しくなれますし、認める力が身につきます。
この繰り返しをしているうちに思いやりの気持ちは育まれていきます。
管理職になったから、アレやコレやしなきゃと思うのでしょうが、上記の一つを継続することで管理職に必要な能力は向上していきますよ。
ちょっと意識するだけで周囲の能力もアップさせることができます。
ぜひ、怒らず一つ一つ実践してください。
実践した先に、怒らず幸せに人生を送れていることをイメージしてください。
イメージできたらその通りになります。
イメージできない場合は、できるように小さな目標が達成できることをイメージしましょう。
その繰り返しであなたが目指したい管理職になれているはずです。
おめでとうございます。(予祝)
あなたが目指したい管理職の条件を3つ書き出して、その条件が満たえせるように日々、努力するだけであなたは目指した管理職になれています。
一日も早く理想の管理職になれることを応援しています。
これからの医療・介護現場では人材育成が重要と言われています。
そのためには、怒らない管理職を育ていることが最優先になります。
管理職教育に有効な書籍の記事を紹介しています。こちらも合わせて読まれることをオススメします。
関連記事:医療・介護現場で働く方の人材育成に適している絵本3選
イライラした時の対処方法をこちらの記事で紹介しています。
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こちらの記事はレクリエーションを通じて、リフレーミングを学べるようになっていますのでオススメです。
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今回の記事があなたの介護現場でお役に立てたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。