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片足立ち20秒で認知症は分かる?研究の意味と高齢者の安全な確認

こんにちは、作業療法士の山口健一です。「片足立ちが20秒できないと認知症なの?」という情報を見て、不安になったことはありませんか。

結論から言うと、片足立ちの時間だけで、MCIや認知症を診断することはできません。秒数を確かめようとして転倒してしまわないよう、安全を優先してください。

「片足立ち20秒」の研究で分かったこと

日本の研究では、中高年の1,387人について、片足立ちの時間と脳MRIの所見、認知機能との関連が調べられました。片足立ちの時間が短いこと、とくに20秒未満であることと、脳の小さな血管に関わる変化や認知機能の低さとの関連が報告されています。

ただし、これはある時点での関連を調べた研究です。「20秒未満なら認知症」「20秒以上なら脳に問題がない」という診断基準を示したものではありません。また、片足立ちを長く練習すれば認知症を防げる、という効果を証明した研究でもありません。

出典:Tabaraら「Association of postural instability with asymptomatic cerebrovascular damage and cognitive decline」(Stroke、2015年)

秒数を一人歩きさせない

バランスの状態を考えるときは、足腰の状態や痛み、普段の歩き方、測定条件なども合わせて見る必要があります。ネットで見た秒数だけを使って、ご家族を「認知症だ」と判断したり、年齢の平均と比べて責めたりするのは避けましょう。

元のnoteでは20秒や15秒などの数値を紹介しましたが、対象や目的の違う基準を、一律の自己診断に使うことはできません。気になるふらつきや生活の変化があるなら、秒数を繰り返し測るより、その困りごとを専門職に伝えることが大切です。

不安がある人は、自己流で片足立ちを試さない

記録を伸ばすことより、安全に取り組めるかの確認を先にします。

転びそうで怖い、足腰が痛い、ふらつく、最近転んだという方は、一人で片足立ちの時間を測らず、主治医や理学療法士・作業療法士に相談してください。支えを使う方法も、どの支えなら安定しているか、介助が必要かを含めて確認します。

目を閉じる、柔らかい床で行う、人と競うなど、難しくする工夫を自己判断で足す必要はありません。記事を読んだからといって、その場で必ず実施する必要もありません。

相談するときに伝えたい、普段の変化

家族が気づいたことだけでなく、本人が「ここが怖い」「これを続けたい」と感じていることも一緒に伝えましょう。

運動は「片足立ち1分」に全員を合わせない

健康づくりの運動には、歩行、筋力を使う運動、バランスに関わる動きなど、さまざまな方法があります。厚生労働省の運動ガイドでも、高齢者は個人差を踏まえ、安全に配慮して取り組むことが重視されています。

「1日1分なら誰でも安全」とは言えません。今の状態に合う方法や量を専門職と相談し、本人が無理なく続けられるところから考えます。安全に実施できる運動を確認できたら、場所や時間を生活に合わせて決めていきましょう。

参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

脳と体の健康を、一つのテストだけで考えない

バランスの確認は、体の状態を考える手がかりの一つです。物忘れや生活への影響が気になる場合は、片足立ちの成績にかかわらず医療機関へ相談してください。

日々の楽しみとして座ってできる活動を探しているなら、言葉の脳トレの進め方も紹介しています。こちらも診断や治療ではなく、本人の好みに合わせて選ぶレクリエーションです。

この記事は、片足立ち20秒についての元のnote記事を、研究の読み方と安全面が伝わるよう整理し直しました。文・構成:作業療法士 山口健一。