こんにちは、作業療法士の山口健一です。「レクリエーションに誘っても、いつも断られてしまう」。デイサービスで、男性の利用者さんへの誘い方に悩むことはありませんか。
ただし、男性だから競争が好き、歌や工作は苦手、と決めることはできません。性別よりも、その人が何を好み、何を負担に感じているかを確かめることが出発点です。
目次
参加しない理由を考える10の確認点
1.子ども扱いされたように感じていないか
教材や言葉遣いが本人の好みと合わないことがあります。幼い呼び方や一方的な採点を避け、大人同士の自然な言葉で活動を説明します。
2.勝ち負けを望んでいるか
勝負が好きな人も、負けることや順位の発表が苦手な人もいます。対戦、協力、一人で取り組む方法から選べるようにしましょう。自己ベストであっても記録されることを望まない場合があります。
3.間違える姿を見られたくないのか
「間違えても大丈夫」と言うだけでなく、答えを強制しない、一緒に考える、人前で指名しないなど、進行を変えてみます。
4.活動の内容が伝わっているか
何をするのか分からないまま誘われると、判断しにくいものです。「同じ絵を探す遊びです。まず一回見てみませんか」と、短く具体的に説明します。参加を促すために、認知症予防などの効果を保証する必要はありません。
5.周囲との関係が気になっていないか
顔なじみがいない、席が落ち着かない、人が多いなど、場の条件も確認します。「男性だけなら安心」と一律に分けず、本人が希望する相手や人数を聞きます。
6.参加の仕方を選べるか
道具の準備、得点係、ルールの説明などを好む方もいます。ただし、役割を押しつけず「お願いしてもよいですか」と確認します。見るだけという参加も選択肢です。
7.題材が趣味と合っているか
以前の仕事や趣味は手がかりになりますが、今も好きとは限りません。将棋、歌、工作、料理、スポーツなど、性別のイメージで絞らず本人に聞いてみましょう。
8.痛みや見えにくさ、聞こえにくさはないか
断る理由を自尊心だけで説明せず、実際の困りごとも確認します。小さな文字、遠い画面、持ちにくい道具、疲れや痛みなどを見直してください。
9.誘い方が命令になっていないか
「皆さんやるので来てください」より、「一度見てみますか」「今日は見学にしますか」と選べる言い方にします。断られたら理由を問い詰めず、休む希望も尊重します。
10.前回の経験が負担になっていないか
難しすぎた、長すぎた、急かされたなどの経験が残っていることもあります。「前回はどの辺がやりにくかったですか」と聞き、同じ条件で繰り返し誘わないようにします。
題材の例:文字牌を使う「ひらめき文字あわせ麻雀」
題材がなじみ深くても、画面操作には慣れていない場合があります。まず職員が一回実演し、本人が指差して職員が操作する方法も試せます。通常の麻雀ではなく、文字牌を使って言葉を考えるゲームなので、遊び方を先に説明してください。
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誘い方の例:断れる余地を残す
次は説明のための例文です。
- 「文字牌を使った遊びを用意しました。少し見てみますか」
- 「操作はこちらでします。気づいたところがあれば教えてください」
- 「今日は別のことにしましょうか。休んでも大丈夫です」
一度参加できたことを、次回からの義務にしないことも大切です。その日の体調や気分で選び直せるようにします。
参加率だけで振り返らない
「参加した・しなかった」だけでなく、本人が何を選んだか、どんな条件なら落ち着いて過ごせたかを記録します。職員の目標を達成するためではなく、本人が過ごしやすい時間を増やすためのレクとして見直しましょう。
元記事:男性高齢者がレクリエーションを苦手と感じる10の理由。元の論点を、個人差と具体的な確認方法が伝わる形へ再構成しました。文・構成:作業療法士 山口健一。

