脳卒中リハビリ!鏡を使った麻痺上肢のリハビリ!ミラーセラピー

いつも読んでいただき誠にありがとうございます。
日常生活を楽しく過ごせるよう日々工夫をしているアイデアわくわくリハビリの山口です!

今日は脳卒中のリハビリについてお話させていただきます。

脳卒中について

みなさん、近年、脳梗塞が増えている事はご存知かと思います。

脳梗塞は脳の細胞に血液を送っている血管が詰まりその先に血液が流れていかなくなり、 その脳領域の細胞が死滅してしまう病気ことです。

そのために体の麻痺や言葉の障害感情のコントロール記憶の障害などがおきます。

特に高齢者に多く見られていましたが最近では若い方にも見られるようになりました。

そして、脳梗塞の軽症化がすすんでいるそうです。

一度、脳梗塞を発症すると自立した生活を取り戻せる人は約2割ほどと言われています。

統計のデータを知った時は驚きました。

それだけ重い病気なんだと再認識しました。

脳梗塞の症状が軽ければいいいのですが、中重度になると多くの方が生活に支障をきたすと言われています。

生活改善には上肢や下肢や体幹や指のリハビリは常に必要です。

今日は脳梗塞のリハビリについてお話をしたいと思います。

そして麻痺上肢のリハビリで鏡を使ったミラー療法というリハビリがありますのでそれについて紹介していきたいと思います。

以前、僕が学校に通っていた時の話です。

脳梗塞のリハビリは約半年までに回復はある程度固まってしまうという風に習いました。

(※脳卒中のリハビリには個人差はありますし、拘縮予防や浮腫予防などで継続的なリハビリが重要と習いました。6ヶ月移行は効果が見込めないという意味ではありません。)

しかし、現在は脳梗塞のリハビリの研究が進み、半年が経っても回復の兆候がみられるという研究結果が多く出ているのです。

脳梗塞の症状で腕が思うように動かいない・うまく歩けないという方には朗報ですよね。

ちなみに発症後48時間以内には手足の拘縮を防ぐリハビリやストレッチをしたりベッドから起き上がる訓練をしたりするようになっています。

発症後からリハビリを始めないと筋肉は固まっていきます。

手足が突っ張ってこわばったり動かしにくくなることを ”痙縮” と言われています。

この時、 脳神経の伝達が途絶えた状態になると間違ったネットワークの形成がされやすいのです。

結果、手足の拘縮になります。だから早期からのリハビリで正しいネットワーク構築が大切なんです。

そして、早期からのリハビリが運動機能改善の鍵を握っていますし、継続的に諦めないリハビリが症状の緩和・改善になると言われています。

運動麻痺のリハビリ:トップダウン刺激とボトムアップ刺激

運動麻痺のリハビリの種類にはトップダウン刺激とボトムアップ刺激があります。

トップダウン刺激のリハビリは脳から手や足に刺激を伝えるリハビリです。

視覚などの感覚情報を使い、脳神経回復を促す療法です。

脳の中で行うリハビリですね。ボトムアップ刺激は手や足から脳へ刺激を伝えるリハビリです。

ミラー療法は、トップダウン刺激の療法です。

そして、早期からも効果的ですが、脳梗塞を発症して半年が経過しても改善に効果があるという報告があります。

ミラー療法のしくみ

ミラー療法では脳に麻痺した手が動いているんだと思い込ませることで麻痺の回復につなげる治療法です。

脳卒中を発症し、手に麻痺があり動かない場合、常に脳は『手が動かない』という信号を受けています。

麻痺側の手を動かそうと思っても動くことが視覚的に確認ができないので、脳は動かないと判断してしまいます。

そこで、健側の手を鏡に写して、手を動かします。

動かしている健側の手を見て、麻痺した手が動いていると錯覚を起こすことで、脳には麻痺の手が動いていると信号が入り機能回復につながるというのです。

これがミラー療法のしくみです。

実施方法

動き

手の動きにはいろいろあります。

グーパー、手のひらを表裏にしたり、指折り動作したり、つまむ動作をしたり、お手玉を掴んだりする方法があります。

頻度

5回/週以上が望ましいと思います。

時間

実施する時間に細かい設定はないようです。

実施する方の疲労感に合わせて実施します。もしくは集中力が続く時間で行います。

ですので、個人差はありますが、5分、10分長い方で20分している方もいます。

実施ポイント

対象者の方には、とにかく鏡を見て集中してもらうことを伝えています。

そして、手が動いているんだと思いこむようにしてくださいと伝えています。

脳が動いていると判断しやすようにお声をかけています。

ミラーボックスの作り方

ミラー療法はダンボールで作ることができます。費用は安価でできるので非常に良いですね。

ミラー療法に使うボックスの作り方です。
まず、ダンボールを用意します。

下記のサイズくらいものでいいです。

ダンボールの大きさが足りない場合は、ガムテープなどで補強しながら作っていみましょう。

ダンボールの大きさは横・幅・高さ=60センチ・30センチ・20センチくらいです。それに直径13センチの穴を左右に開けます。

上部に切れ込みを4ヶ所いれます。

そこに切ったゴムを差し込みます。

このゴムで鏡を支える仕切りを作成します。

ダンボールの上部から鏡を入れて完成です。非常に簡単に作れます。

作成時間は、30分程度でできました。

費用としては、鏡を100円ショップで購入するくらいです。

鏡を固定するのにブックエンドなどを使うとトータルで500円くらいでできると思います。

利用された方の感想

実際にされている方から、

「なんか動く気がする」「他のリハビリより良いかもしれない」「神経の回復が期待できる」など嬉しい感想をたくさん、いただきました。

その反面、

「運動があまりないので効果に不安や疑問を感じた」などの意見もありました。

しかし、リハビリを自主的に継続的に行われる方は、徐々に随意性の向上はみられていました。

また、デイケアやデイサービスを休んでしまった場合・施設に来れない場合でも、自宅でのリハビリとして活用できます。

継続的なリハビリの一役を担えます。

注意事項

・痛みがある場合はしない

・疲れて集中力が続かない場合は実施しない

・実施効果は個人差があることを伝える

・視覚的に確認し動いていると思うようにする

・脳卒中の病巣によって、動いていることがイメージできない方には不向きと思われます

動画

ネットで紹介されているエビデンス・資料 3選

エビデンスレベルを紹介している記事

こちらから

ミラー療法のしくみや方法を紹介している記事

こちらから

ミラー療法に関する論文

こちらから

まとめ

ミラー療法は、ダンボールで簡単に作れて、効果的な手のリハビリができます。

ぜひ、試してみてください。

そして、他にもこのような動きをしたほうが随意性の向上になったなどの情報交換ができればいいですね。

諦めないリハビリ・楽しく継続できるリハビリを提供できることを一緒に目指していきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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ABOUTこの記事をかいた人

現在、デイサービスで作業療法士として働く傍らセミナー講師として県内外で活動中。アイデア1つで生活は豊かになるがモットーです。月刊デイやリハージュや活動と参加のリハビリ・訓練アイデア集に自身の生活改善のアイデア・リハビリ・レクリエーションについて寄稿。このサイトが、あなたの新しいアイデアにつながることを願っています。