認知症予防・認知症ケアに有効な料理訓練の正しい関わり方5選

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当ブログは福祉や介護や医療の職場(デイサービス、デイケア、小規模多機能など)で働かれている方々、ご高齢者皆様の日常生活にお役に立てるような情報を発信しています。

今回は、認知症予防や認知症ケアに有効で正しい料理訓練の関わり方について、ご紹介します。

認知症予防や認知症ケアに、ただただ料理訓練をすれば効果的かというとそうではありません。

適切な関わり方で料理訓練を実施しなければ認知機能の改善は見込めません。

また、適切な関わりができなければ逆効果をもたらしてしまします。

では、認知症予防・認知症ケアに有効な料理訓練の正しい関わり方は下記の項目をご覧ください。

認知症予防・認知症ケアに有効な料理訓練の正しい関わり方とは?

認知症予防・ 認知症ケアに有効な料理訓練の正しい関わり方とは、

軽度認知障害(以下MCIと略す)の方々や認知症の方々が自分の有する能力で楽しく料理訓練に参加し、認知機能の維持・改善が期待できるモノを言います。

では、どのような関わり方をすれば、MCIや認知症の方々に有効な料理訓練の提供ができるのでしょうか?

私は、MCIの方々、認知症の方々と料理訓練を10年以上やってきました。

その経験と参考記事をもとに有効な料理訓練の正しい関わり方を下記にご紹介します。

  • 調理する献立を可視化する
  • 料理工程は一つ一つ行う
  • グループで料理をするときは役割を分担する
  • 料理で得意なことをお願いする
  • 調理に不安な時はそばにいる

調理する献立を可視化する

認知症の人は新しい記憶を保持・想起することが難しくなります。

口頭で『今日は野菜炒めを作ります』や『カレーを作ります』と言っても調理している途中で『何を作るだっけ?』となることがしばしばあります。

そのような時は調理する献立を覚えていられるように可視化します。

認知症の人が目に付きやすいようにホワイトボードに『今日の料理はカレーです』と書いたり、料理の写真や絵を掲示しておくと何を作るのか思い出しやすくなり、安心して料理に集中できます。

料理工程は一つ一つ行う

勝利は複合的に色んな作業をすることがありますが、MCIの人や認知症の人は調理工程の順番を思い出して実行することが苦手になります。

なので、調理工程で混乱しないように切るだけとか混ぜるだけとか1つ1つ調理工程を行うようにしましょう。

調理をしている途中の声掛けで『野菜を切った後に、フライパンに油をしいてお肉を入れて野菜を炒めましょう』と言うと混乱してしまうので言わないようにしましょう。

この場合は、『野菜を切りましょう』『フライパンに油をしきましょう』『お肉を炒めましょう』『野菜をいためましょう』と1つ1つ調理工程を行うようにしましょう。

グループで料理をするときは役割を分担する

グループで料理する時は、個人の調理能力が異なるため、その人の調理能力にあった調理工程を分担して行うようにしましょう。

例えば、玉ねぎを切る方、キャベツを切る方、お肉を切る方、食材を炒める方、食材を混ぜう方など分担して行うことで調理する献立を細分化して取り組むことができます。

MCIの方、認知症の方は、分担して行うことで、肯定が限定されることにより、あれもして、これもしてと思うことがなく、あせらずに調理することができます。

自分の調理工程が早く終わった場合は、隣の方のお手伝いをしたりすることで交流が生まれて楽しく料理訓練ができます。

グループ料理は調理工程を分担することで、MCI、認知症の方々の有する能力を発揮する機会になり、訓練として有効です。

料理で得意なことをお願いする

認知症の症状が進行してくると、出来る事と出来ない事が出現してきます。

できないことを無理にすると混乱をきたし、料理訓練がストレスになってしまいます。

ですので、今、現在自分ができる得意な能力で調理活動に参加するようにしましょう。

例えば、『Aさん、じゃがいもを乱切りをお願いします。』と言って乱切りがわからなければ違う調理工程をお願いします。その場合は、『キャベツの千切りをお願いします』とか、『炒める事をお願いします』など変更するようにしましょう。

自分が得意でできる事(調理作業)をお願いするようにしましょう。

調理に不安な時はそばにいる

MCI、認知症の方々は調理工程に対して何度も同じことを聞く場合があります。

自分の慣れた場所で料理しているわけではないのでモノがどこにあるのか?どのようにつくるのか?不安になることがあり、何度も同じことを聞く場合があられます。

そんな時は、そばにいてください。

そして、何度もはじめての時のように言うようにしてください。

優しくわかりやすく調理工程をお伝えしてください。

例えば、『じゃがいもの皮を一緒に向きましょう』とか『お肉を5センチ幅に切りましょう』とか、MCI、認知症の方々が安心できるようにそばにいてお声かけしてあげてください。

まとめ  

認知症予防・認知症ケアに有効で正しい料理訓練の関わり方5選はいかがだったでしょうか?

  1. 調理する献立を可視化する
  2. 料理工程は一つ一つ行う
  3. グループで料理をするときは役割を分担する
  4. 料理で得意なことをお願いする
  5. 調理に不安な時はそばにいる

この5つをするだけで、MCIや認知症の方々に有効で正しい料理訓練の関わり方ができます。

認知機能の維持・改善はもちろん社会交流ができ、QOLの向上につながります。

ぜひ、料理訓練の時は試してください。

料理訓練での関わり方について、お話したいことがたくさんありますがちょっと長くなってしまいましたので、次回、お届けしたいと思います。

当ブログで、認知症予防に効果がある食材10選をご紹介しています。

こちらも料理の知識を増やすことにつながりますのでよかったら読んでください。

関連記事:認知症予防のために積極的に取り入れたい食材10選

今回の記事があなたの介護・ケアに役立てられたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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ABOUTこの記事をかいた人

現在、デイサービスで作業療法士として働く傍らセミナー講師として県内外で活動中。アイデア1つで生活は豊かになるがモットーです。月刊デイやリハージュや活動と参加のリハビリ・訓練アイデア集に自身の生活改善のアイデア・リハビリ・レクリエーションについて寄稿。このサイトが、あなたの新しいアイデアにつながることを願っています。