【認知症予防・認知症ケア】料理訓練で脳機能・意欲の向上になる関わり方5選

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今回は、前回に引き続きMCI、認知症の人と一緒に料理する時の正しい関わり方について、ご紹介します。

認知症予防や認知症ケアに、ただただ料理訓練をすれば効果的かというとそうではありません。

適切な関わり方で料理訓練を実施しなければ認知機能の改善は見込めません。

また、適切な関わりができなければ逆効果をもたらしてしまします。

では、認知症予防・認知症ケアに効果的な料理訓練で脳機能・意欲の向上になる関わり方5選は下記の項目をご覧ください。

認知症予防・認知症ケアに有効で正しい料理訓練とは?

認知症予防・ 認知症ケアに有効で正しい料理訓練とは、 軽度認知障害(以下MCIと略す)の方々や認知症の方々が自分の有する能力で楽しく料理訓練に参加し、認知機能の維持・改善が期待できるモノを言います。

では、どのような関わり方をすれば、MCIや認知症の方々に有効な料理訓練の提供ができるのでしょうか?

私は、MCIの方々、認知症の方々と料理訓練を10年以上やってきました。

その経験と参考記事をもとに有効で正しい料理訓練の関わり方を下記にご紹介します。

  • 料理の思い出を語り合う
  • お持ち帰り用のタッパーが汚れにくいように工夫する
  • 味見をする
  • 否定しない
  • 感謝を伝える

料理の思い出を語り合う

料理訓練する時は出来る限り料理の思い出を語り合いましょう。

語り合う内容は楽しかった思い出を語り合うようにしましょう。

良い思い出、楽しかった思い出を語ることでドーパミンが脳から放出されて、体が動きやすくなります。また、当時のことを思い出すことで回想法になります。

幸せな気持ちで料理訓練ができますので語り合うことはオススメです。

中には嫁姑問題で料理についてあまり良い思い出がない方もいますので、その時は当時の思い出についてあまり掘り下げずにしましょう。

その理由としては、嫌なことを思い出すとストレスがかかり思うように行動がとれなくなります。それでもどうしても嫌な思い出を語られる方がいます。

その時は、聞くことに徹することがオススメです。人は語ることでカタルシス効果があり、心の浄土化がはかれ落ち着くこともできます。

良い思い出と苦手な思い出の語り合いについては、職員さんは対応を分けながら、料理訓練を行いましょう。

お持ち帰り用のタッパーが汚れにくいように工夫する

料理訓練で作った献立を持ち帰ることがあります。

その際は、献立に応じてタッパーが汚れないように配慮することが衛生面を保つことに役立ちます。

例えば、カレーを作って持って帰る際は、ラップをひいてその中に入れるようにしましょう。そのまま入れると、タッパーが変色したり、洗い残しの原因になったりします。

よく家族の方から『うちのおばあちゃんに洗い物をさせたら、洗い残しがあるのよね』なんてご意見を聞くことがあります。

視力の低下なども影響し、洗い残しが出る場合がありますので、少しでもタッパーが洗いやすいように配慮することがよりよい認知症ケアにつながります。

もし、持参したタッパーが汚れていた時は、コソッと洗いましょう。

認知症の人に優しい口調で『洗えてませんよ』と言っては、ダメです。

認知症の人は、洗い物ができていなかったとショックを受けるだけですから良くありません。

味見をする

料理中盤から終盤にかけて味見を認知症の人と一緒に行いましょう。

味見をすることで嗅覚も活用することになります。

視覚のみならず、味覚と嗅覚を活用することで美味しいという記憶の想起に役立ち、脳へ良い刺激を与えることができます。

MCI、認知症の認知症の症状が進むにつれて、わからないことが増えて、考えることが苦手になりやすいです。

料理時に、この味付けでいいのか?と考えることは自然と思考を巡らせやすく、脳内のシナプス伝達は活性化します。また、認知症の方の有する能力をさらに引き出す効果があります。なので、味見はとても脳に効果的なアプローチになりますのでオススメです。

グループで料理の味見になると意見が異なり、自分の味覚がおかしいのか?と悩まれることがある場合は、職員さんが『今日はこの味付けで行きましょう』などと安心する・悩みが解決できるように声掛けをしてあげましょう。

否定しない

認知症の人と料理訓練では、ハプニングがたくさん、あります。

例えば、『あれ?さっきまでできていたのに・・・・』とか『わかりした。って言ったのに全然違う切り方だ』とか『台拭きで包丁を拭いてるし』とか、いろんな間違いやハプニンがたくさんあります。

そんな時に『それ、違いますよ』なんて言ってはいけません。

認知症のご本人たちは、間違えたくて間違えたわけではないのです。ただ、やり方がちょっと違っただけなのです。なので、間違いを否定しないようにしましょう。どんだけ優しく『違いますよ』と言っても否定は否定です。

例えば、ハヤシライスで使う玉ねぎを細切りにしてもらうはずが、乱切りになっていたら、そのまま使いましょう。

今日は、玉ねぎは乱切りしたハヤシライスにしようと思うようにしましょう。

お肉が切れていなくてもOK。食べれればOK、うまくいかないことも食べれればアレンジとして捉えてOKを出すようにしましょう。

感謝を伝える

認知症の人と料理する時は感謝を伝えるようにしましょう。

認知症の人は普段の生活で、思い出せないことがあり、不安なことが多い状態が続いています。

そんな時に料理して、できることに集中していると普段の不安から解放されるのです。

その時に『ありがとう』『今日は素敵な味付けになりましたね。Aさんのおかげです。

ありがとうございます。』など伝えるようにしましょう。

不安な状態で感謝を伝えても認知症の人に届きにくいのですが、自分が出来ることをして感謝される時は安心の状態なので届きやすのです。

料理という作業活動を通じてありがとうをたくさん、伝えてあげてください。

MCI、認知症の人の秘められた能力・意欲を引き出すことにつながっていきますので、感謝をたくさん伝えましょう。

まとめ

【認知症予防・認知症ケア】料理訓練で脳機能・意欲の向上になる関わり方5選はいかがだったのでしょうか?

今回のまとめです。

MCI、認知症の人の能力を維持・改善するのに正しい関わり方は、

  • 料理の思い出を語り合う
  • お持ち帰り用のタッパーが汚れにくいように工夫する
  • 味見をする
  • 否定しない
  • 感謝を伝える

になります。

この5つを守って、認知症の人と楽しく脳機能の維持・向上を効果的に行える料理訓練の提供をしていきましょう。

さらに以前の記事で認知症の人との正しい料理訓練の関わり方をご紹介しています。

こちらも合わせて読んでいただくことで、認知症予防・認知症ケアに効果的な関わり方ができるようになります。

関連記事:認知症予防・認知症ケアに有効で正しい料理訓練の関わり方5選

今回の記事があなたのお役に立てますよう願っています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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ABOUTこの記事をかいた人

現在、デイサービスで作業療法士として働く傍らセミナー講師として県内外で活動中。アイデア1つで生活は豊かになるがモットーです。月刊デイやリハージュや活動と参加のリハビリ・訓練アイデア集に自身の生活改善のアイデア・リハビリ・レクリエーションについて寄稿。このサイトが、あなたの新しいアイデアにつながることを願っています。