認知症ケアに有効なタクティールケアがオススメの理由3選

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当ブログは福祉や介護や医療の職場(デイサービス、デイケア、小規模多機能など)で働かれている方々、ご高齢者の皆様のお役に立てるような情報を発信しています。

今回は、認知症ケアに有効なタクティールケアがオススメな理由3選をご紹介します。

タクティールケアについて

タクティールケアとはどのうようなケアなのか?

タクティールケアとは患者さんの手足や背中などを柔らかく包み込むように撫でることにより不安な感情を取り除いたり痛みを和らげたりするケアです。

タクティールケアは肌と肌との触れ合いによるコミュニケーションを大事にするタッチケアに分類されそのメソッドはスウェーデンにおいてソフトティッシュマッサージとして開発実践されてきました。

引用元:タクティールケア入門

タクティールケアは認知症ケアやがんのターミナルケアとして、不安感の軽減や痛みの緩和に効果があると報告されています。

タクティールケアとはどのようなケア(手法)なのかは、下記のサイトらからご覧になれます。

はしもとクリニック

認知症ナビ

今回、山口が認知症ケア・ターミナルケアに有効なタクティールケアが認知症ケアにオススメな理由を3選ご紹介したいと思います。

そのオススメな理由は

  • 安心する
  • ADLが改善する
  • 認知症の方への見方・ケアが変わる

この3つです。 下記に詳しくご説明します。

安心する

タクティールケアが安心する理由・メカニズムについてお話したいと思います。

タクティールケアの効果の一つには不安感を取り除き、安心感をもたらすというものがありますがその根拠となっているのがオキシトシンというホルモンです。オキシトシンは脳の視床下部で産生されるホルモンで、出産の時に子宮を収縮させたり、赤ちゃんに授乳する時に乳汁の分泌を促したりする作業があると言われてきました。しかし最近の研究から不安感やストレスを軽減させる働きがあることが分かってきたのです。タクティールケア(肌に触れる)によって皮膚の接触受容体が刺激され知覚神経を介して脳に信号が送られると、脳の下垂体後葉から血液中にオキシトシンが分泌されます。血液を介してオキシトシンが体内に広がることで、安心と信頼の感情をもたらすと言われています。

引用元:タクティールケア入門

というようにタクティールケア入門で安心につながるメカニズムを紹介されています。

図に表すとこのような感じです。

メカニズム

  • 手に触れる(知覚神経が発生)
  • 脳の下垂体後葉からオキシトシンが分泌
  • 血管に流れる
  • 全身に流れる
  • 安心になる

というメカニズになっているのです。

手に触れるということで安心につながるのです。

なので、言葉の理解が難しくなってきた認知症の人へのケアとして、有効だと考えます。

皮膚刺激を介して安心感を与えられるタクティールケアが認知症ケアにオススメな理由の一つです。

ADLが改善する

タクティールケアを実施することでADLが改善すると報告がなされています。

図に表すとこのうような感じです。

メカニズムとして

  1. 血液を介してオキシトシンが全身に広がることで
  2. 活動量が増え、筋力の維持・向上となり、
  3. 各ADLの維持・改善・介助量の軽減

につながっていきます。

また、脳梗塞後遺症で拘縮した手が緩み、食事動作が改善したという報告もあります。

タクティールケアはADLを改善するのに有効なケアですので、オススメした理由の一つです。

認知症の方への見方・ケアが変わる

介護現場では、業務に追われて十分なケアができない時があります。

(※各施設で対応・ケアは異なりますので、特定の事業所を指しているわけではありません。)

業務に追われて十分なケアができないと認知症の人は周辺症状が進行することもあります。

職員さんちゃんとした対応ができないと悪化した周辺症状への対応に疲れてしまうこともあります。

タクティールケアは、認知症の方と向き合ってゆっくりとケアすることで、関わる職員さんの気持ちも落ち着かせる効果があると思います。

その理由は、時間をもってゆっくりと手に触れる。そして、認知症の人の表情を観察すると落ち着いていく変化に気がつきます。

周辺症状が落ち着くことで職員さんは周辺症状の原因について考える時間ができます。

原因をさぐる気持ち・ゆとりが生まれて、ケアが変わります。結果、認知症の方への見方が変わります。

認知症の方の気持ちを理解するのに有効的だと思いますので、オススメしたい理由の一つです。

タクティールケア入門

タクティールケア入門 第3版

まとめ

認知症ケアに有効なタクティールケアがオススメの理由3選はいかがだったでしょうか?

認知症の周辺症状・BPSDへのケアは、書籍に書いてあるような対応をしても、介護現場では、周辺症状による怒りの感情・不穏な感情などの対応におわれて振り回される結果となり、ちゃんとしたケアに当たることができていないことがしばしばあるのではないでしょうか。

認知症の人も怒りたくて怒っているのではなくて、自分の思考の中で解決できないから助けを求めているのです。

そのシグナルが怒りだったり、不安だったり、徘徊だったりするのだと思います。

なので、その怒り・不安などの感情を和らげるには安心がもっとも有効です。

認知症の人も安心できれば、怒ったり、不安になったり、心配になったりすることはありません。

なので、その安心を提供できるタクティールケアは、認知症の方には必要なケアだと思います。

ぜひ、認知症の人が少しで安心できるようタクティールケアを実践してみてください。

当ブログでも認知症が安心するケア・リハビリを投稿しています。

よろしければ合わせて読まれることをオススメします。

認知症ケアのバリエーションが広がり、より認知症の方へ安心を届けるケアができると思います。

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今回の記事があなたのお役に立てたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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ABOUTこの記事をかいた人

現在、デイサービスで作業療法士として働く傍らセミナー講師として県内外で活動中。アイデア1つで生活は豊かになるがモットーです。月刊デイやリハージュや活動と参加のリハビリ・訓練アイデア集に自身の生活改善のアイデア・リハビリ・レクリエーションについて寄稿。このサイトが、あなたの新しいアイデアにつながることを願っています。