こんにちは、作業療法士の山口健一です。デイサービスのレクリエーションで「盛り上がったけれど、次にどうつなげればよいのだろう」と迷うことはありませんか。
楽しい時間を過ごせたこと自体が大切な成果です。そのうえで、本人の好きなこと、得意なこと、誰かと関わるきっかけにも目を向けると、次の活動を考えるヒントが増えます。
この記事では、以前のセミナー告知で紹介した「楽しさと生活をつなぐ」というテーマをもとに、日々のレクへ取り入れやすい考え方を整理しました。開催案内や参加募集ではありません。
目次
レクの目的を、一つの具体的な行動にする
「身体機能・認知機能・社会参加」と大きな言葉だけで考えると、準備が難しくなることがあります。まずは、その時間に見たい行動を一つ決めてみましょう。
- 好きな題材を自分で選ぶ。
- 道具を配る役を引き受ける。
- 隣の方の答えを聞く。
- 自分が知っていることを一言伝える。
これは達成を強制する目標ではありません。参加しない、見て楽しむ、途中で休むという選択も含めて、本人の反応から次を考えるための目安です。
同じ脳トレでも、進め方で参加の形が変わる

画面を使うレクでは、操作する一人だけに活動が集中しやすくなります。そこで、問題を読む役、候補を考える役、操作する役などを、希望に合わせて分ける方法があります。
例えば数字のゲームなら、いきなり全員で速さを競うのではなく、最初の一問を一緒に確認します。「次はどちらに進めそうですか」と選択肢を示し、操作が難しい人は言葉や指差しでも参加できるようにします。
ただし、一つの画面を全員が見えるとは限りません。文字の大きさ、距離、光の反射を確かめ、見えにくい場合は少人数にするなどの調整が必要です。
ゲームの種類や無料体験の範囲は、数字の脳トレ10種類とデイサービスでの使い方で紹介しています。
生活へのつながりは「訓練になるはず」で決めない
ゲームで手を伸ばしたから、日常生活でも必ず動きが良くなるとは言い切れません。活動の中で見えた好みや工夫を、本人と一緒に確かめていきます。
例えば、道具を並べることを楽しんでいる様子があれば「次の準備も一緒にお願いできますか」と尋ねる。果物の話題で会話が続けば、好きな食べ物や季節の話につなげる。こうした小さなやり取りを、次の選択肢にできます。
以下は説明のための活動例です。実施するときは、本人の希望と安全面に合わせて変えてください。
- 言葉の問題が好き:好きな歌や昔の遊びを聞き、次回の題材を相談する。
- 道具の整理が得意:負担のない範囲で準備や片づけを選んでもらう。
- 説明が好き:希望があれば、知っているルールを話してもらう。
声かけは「正解」より「どう関わったか」にも注目

「正解です」で終わらず、「ほかの方が答えるまで待ってくださったんですね」「別の言葉も考えてくださったんですね」と、実際に見えた行動を伝えます。人前で褒められることが苦手な方には、静かに感謝を伝える方法もあります。
うまくいかないときは、本人の努力だけに原因を求めません。説明が長すぎないか、ルールが複雑でないか、疲れていないかを見直します。
レクの記録に残すと役立つ4項目
- 何を選んだか:題材、役割、見るだけという選択も記録する。
- どのように参加したか:発言、指差し、操作、準備などを具体的に書く。
- どんな調整をしたか:文字を大きくした、問題を減らした、休憩したなど。
- 次に確かめたいこと:本人が希望したことや、続けたいと言ったことを残す。
「盛り上がった」「反応が悪かった」だけよりも、次の担当者が内容を調整しやすくなります。誰かと比べた評価ではなく、その方の参加の様子を言葉にしましょう。
明日のレクで変えることは、一つから
新しい道具をたくさん買う前に、「題材を本人に選んでもらう」「説明を一つずつにする」「終わりに好きだった場面を聞く」のどれか一つを試してみてください。本人の反応を見ながら、次の時間へつなげていきましょう。
題材を探す場合は、無料で体験できる脳トレゲーム6選も参考にしてください。ゲームはレクリエーションの選択肢であり、医療上の効果を保証するものではありません。
元記事:生活機能とレクリエーションをテーマにしたnote記事。元の告知内容を、日々の実践に使える解説へ再構成しました。文・構成:作業療法士 山口健一。







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