いつも当ブログを読んでいただきありがとうございます。
当ブログは病院で働かれている方々、通所リハビリテーション、デイサービスで働かれている方々、ご高齢の方々、認知症の方々のお役に立てるような情報を発信しています。
今回は紙コップと紙を使って記憶力の向上が期待できるレクリエーションをご紹介したいと思います。
特に思い出す能力が鍛えられるレクリエーションです。
目次
紙コップ神経衰弱レクリエーションについて
紙コップ神経衰弱レクリエーションとはどのようなレクなのか?
同じ絵が対で描かれた用紙に紙コップを置きます。
その紙コップをとりながら、同じ絵を探す神経衰弱レクリエーションです。
詳しくは以下にご紹介します。
紙コップ神経衰弱で準備物などについて
今から以下の5つについて解説します。
- 準備物
- プレイ人数
- 所要時間
- 場所
- 効果
では詳しく解説します。
準備物
- 紙コップ 12個 絵の数と同じ個数を用意する。
- 絵が描かれた用紙を用意する。絵の作り方は下記にてご紹介しています。
プレイ人数
- 2人から4人までがプレイしやすいです。
5人以上になると順番が回ってくるのに時間がかかり、集中力が欠けやすくなります。
また、モチベーションが下がることにつながりますので2人から4人でプレイすることをオススメします。
所要時間
- 3〜5分前後/回
一回あたりのプレイ時間は3〜5分くらいです。
とても集中しやすい所要時間となっています。
場所
- デイサービスのフロア
- リハビリ室
- 病室、病棟の談話室
などで実施可能です。
紙コップ神経衰弱の効果
身体機能面の効果
- 指先の器用さ向上(巧緻性の向上)
- 上肢機能の向上(リーチ動作の向上)
- 座位保持能力の向上
- 心肺機能の向上
精神機能面の効果
- 記憶を思い出す力が向上(想起)
- 記憶を保つ力が向上(記憶保持)
- 理解力
- 判断力
- 推理力
- 計算力
- 気分転換
紙コップ神経衰弱のルール
ではルールの説明を以下の3つにわけて致します。
- 基本ルールについて
- アレンジルールについて
- 注意事項
基本ルール
①じゃんけんで順番を決めます。
勝った方から時計回りに進めていきます。
同じ絵が出せても続けてせずに一人一回で行います。(絵が違っていても同様)
②紙コップを取り同じ絵を探します。
正解したら紙コップを取ります。
紙コップが取れた個数を競います。
絵が間違っていたら紙コップを戻します。
③絵の上にある紙コップが全部とれたら終了とします。
勝敗は紙コップの個数で決めます。 紙コップの多い方の勝ちになります。
アレンジルール
違う絵を用意します。
季節感を感じられる物や数字や字の認識力を高めてくれる物を用意すると回想しやすく想起訓練に役立ちます。
高齢者の方(認知症方)のエピソードを語ってくれるきっかけになります。
人の記憶想起は言葉より、絵や色のヒントがあると思い出しやすいという特徴があります。
回想法効果も期待できるのです。
注意事項
- 思い出すことがストレスになる方にはやめておきましょう。
- 思い出すことに介助があれば出来る方はスタッフの方や隣の方に手伝ってもらいプレイしましょう。
紙コップ神経衰弱の用紙の作り方
紙コップ神経衰弱に使用する用紙の作り方
インターネットで無料のイラストをパワーポイントに貼り付けるだけです。
有料・無料イラストサイトを活用すると簡単に作ることができますよ。
イラストACやいらすと屋など(←をクリックするとサイトをご覧になれますよ)
認知症予防について
最近は認知症になる前の段階でアプローチをすることがとても大切ですと言われています。
認知症と健常者の中間にあたる MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)という段階があります。
いわゆるグレーゾーンの方ですね。
この方達は趣味活動をされているグループと比較すると約2年ぐらいで認知症に移行するというデータがあります。
トランプカードや将棋、チェスなどの知的な活動をしていると認知機能の改善が見られるという報告があります。
他にも有酸素運動を行うことで認知症予防ができるという報告も多く聞かれています。
認知症の訓練として覚えることよりも思い出すことを優先的にする方が効果的という報告があります。
しかし、思い出せないと大変ストレスがかかってしまいます 。
それでは全く意味がありません。 理由としてストレスがかかることで脳の萎縮が進んでしまうからです。
ですので思い出すということにストレスをかけないようにしながら遊び感覚でできる想起訓練 が望ましいです。
紙コップ神経衰弱を作った経緯と利点
トランプを使った神経衰弱をすると トランプの数が多すぎてなかなか会わないことがあります。
また絵柄が違った場合伏せた時に同じ場所におけず場所を変えてしまうことがあります。
そうなると記憶障害を持った方には難易度の高いレクリエーションとなってしまいます。
それでも神経衰弱というゲームは想起訓練に適していると思っています。
記憶障害があっても楽しく神経衰弱ができるようにしたいなーと思って考案しました。
パワーポイントで絵柄のついたカードを作ることで絵柄の場所は常に一定の場所になり思い出しやすくなります。
トランプカードで神経衰弱を行うとカードがあちこちに置かれることになり、思い出す作業に労力がかかります。
絵の描かれた用紙に紙コップを置くことで場所が変わらず、思い出しやすくなり効果的な想起訓練を提供しやすくなります。
それとトランプで行う神経衰弱よりも数が少なくて正解がしやすい神経衰弱ゲームが行えます。
まとめ
デイサービスで認知症予防!楽しく想起訓練ができる紙コップ神経衰弱はいかがだったでしょうか?
紙コップ神経衰弱はトランプで行う神経衰弱より行いやすく、正解率しやすいことで達成感が得られやすいです。
また、反復して行うことで記憶力の改善に期待できます。
生活率があがることで『安心感』『達成感』を味わえる機会が増えます。
また、適度な緊張感は記憶力を強化してくれます。
人は3回繰り返すと自分にとって重要と判断するそうです。
ですので、楽しく3回繰り返しやっていただくことで認知症予防・記憶力の向上に効果がさらに期待できますよ。
認知症の方は記憶力が低下して不安なことも多いので、安心につながるレクリエーションを提供することが脳の機能向上につながります。
私達、人間は記憶を頼りに日常生活を送っています。
この記憶力が向上できれば日常生活の維持・改善・向上につながるのです。
レクリエーションでADL訓練になるのです。 紙コップ神経衰弱をデイサービスに通われる高齢者・認知症の方々の日常生活機能向上訓練としてぜひ試してください。
当ブログで記憶力を向上させるレクをいくつかご紹介しています。
こちらも合わせて読んでいただくと認知症の方の想起訓練のバリエーションが増えますのでよかったら読んでください。
それとレクのマンネリ化防止につながります。
関連記事:トランプを使ったカラー神経衰弱
それとオススメのレクの参考書籍をご紹介しておきますね。
何かしらの参考になったら嬉しいです。 介護エンターテイメントの石田さんが特集されているレクリエの書籍です。
こちらの書籍では作業療法士の石田さんが、生活機能向上になる動作を取り入れた体操を紹介されています。
トイレ動作には、こんな動作が必要だったねと気が付かされる内容となっています。
それを楽しく学べるところが良いですね。
また、石田さんのユーチューブ動画と照らし合わせて読むことで楽しんで読むことができると思いますよ。
それに本の構成の色合いがとてもキレイで読みやすいです。
その他のレク紹介・歌体操もとても丁寧に紹介されています。
介護現場で役に立つこと間違いありません。
レクリエ 2018特別号 レクリエーションで機能向上大特集 (別冊家庭画報)
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
コメントを残す